桜、咲く頃会いましょう。
第十一夜 散る花 降る雪
【桜子】


次の日の朝


残された手紙に気づいたのは私だった



「土方さん!!山南さん…呼びにいったら居なくて、それで…それで…」

「落ち着け、それで何だ?」

「こんな手紙が!」



山南さんからの手紙にはこう書かれていた



『江戸へ行ってきます』



たった一言そう書かれていた



「この事を知っているやつは?」

「たぶんいないと…」




この時土方さんの頭の中には私と同じ言葉が浮かんでいたと思う



「総司…総司を呼んできてくれ!」

「は、はい!」



廊下で転びそうになりながらもまだ状況を理解していない沖田さんの腕を引いて土方さんのところへ急いだ



「ねぇ、一体何があったの!?僕なにもわかんないんだけど…」



そんな沖田さんの言葉にも反応できないくらい夢中で走った



「土方さん!!」

「おぉ、早かったな。総司そこに座ってくれ」

「はぁ…一体何が?」



土方さんが沖田さんに手短に訳を話した


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