桜、咲く頃会いましょう。
第十五夜 太陽の願いと迷い
【桜子】


季節は冬を迎え年が明けた



新撰組内は緊張した雰囲気が漂っていて、年が明けてもあまりおめでたいという雰囲気はなかった



そんな新年も過ぎ去り季節は春を待ち遠しく感じる二月




「桜子〜?」

「はい!なんですか〜土方さん〜」




中庭を挟んで会話をしているから自然と大きな声になってしまう



「悪いがこれも洗ってもらえるか?」

「分かりました!」



土方さんが手に持っているさらしをおもむろに丸め始めた




くしゃくしゃに丸められたさらしが私に向かって投げられる



「わっ!!」



土方さんの投げたさらしをうまく掴めず、顔に直撃してしまった



「もう!何するんですか!?」

「ははっわりぃな?少し急いでんだ」



土方さんは私にそう言い残して駆け足で去っていってしまった



土方さんが困ったような顔をしていたのは私の気のせいかな…?


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