桜、咲く頃会いましょう。
第三夜 痛みを乗り越えて
【桜子】


父様と母様を探しはじめて三週間あまり


屯所の掃除をしていたら、平助くんに呼び止められた


「土方さんがさくらの事呼んでた。急いで来いって。」



土方さんが私に用?


何だろう、土方さんが私を呼び出すなんて珍しい



「うん、ありがとう平助くん。」



滅多にないことだから、急いで土方さんの部屋に行った


「土方さん、桜子です。」

「はいれ。」



土方さんの声が真剣だ



何か良くないことがあったとか…?


部屋に入って土方さんの向かいに正座する


「まだ、人づてに聞いた話で、確かじゃねえんだが…」

「はい」


嫌な予感がする


「お前の親御さんの名は、平松撫子と平松龍之介か?」

「そうですが…。父様と母様に何かあったんですか!?」

「さっきも行った通り確かな情報じゃねえ。…お前の親御さんが、…殺されたらしい…。」


父様と…母様が…、


殺さ…れ、た…?


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