モノクローム


「…別に。邪魔して悪かったわね。どうぞ、ごゆっくり」


どこの誰かは知らないけど、初めて会った人にこんなに皮肉をこめた口調で言ったことがあるだろうか。



…いや、
何回もあるけど。


たったの二言しか聞いてないけど、私はこの人が嫌いだと思った。

嫌いだと感じた奴とこれ以上話す必要もない。


私はそのまま歩き出した。

それでも、彼の視線はなんとなく背中で感じていた。




「――…知ってる?」



私が本当に彼から少し遠く離れたところで、奴は私に聞こえるように声を張った。

…しつこい。


関わ合いになりたくない私は、彼の言葉が聞こえても足を進める、

はずだった。



「昔、ここって花畑だったんだよ。15年前まではね」

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