モノクローム


結局、私は何も言うことができずにその場を去った。



ドクドクドク、心臓が鳴り止まない。それが走っているからなのか、それとも別のものなのか――


マンションのエレベーターが15階に着いたことを知らせる音で、ハッと現実に戻されたような気がする。


鍵は開けっ放しだったから、ドアを開いた。部屋の中は私が出ていったときと何ら変わりはない。


睡眠薬、あの人に投げつけてしまった。無駄なことをしたと、今さら後悔した。

時間は午前4時。
ソファーに座って、リモコンをとりテレビをつけた。

薄暗い部屋の中で、ぼんやりと画面を眺める、テレビの音は消して。


画面の中では昔の外国ドラマがあっていて、幸せそうな少女がいた。

< 9 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop