モノクローム
結局、私は何も言うことができずにその場を去った。
ドクドクドク、心臓が鳴り止まない。それが走っているからなのか、それとも別のものなのか――
マンションのエレベーターが15階に着いたことを知らせる音で、ハッと現実に戻されたような気がする。
鍵は開けっ放しだったから、ドアを開いた。部屋の中は私が出ていったときと何ら変わりはない。
睡眠薬、あの人に投げつけてしまった。無駄なことをしたと、今さら後悔した。
時間は午前4時。
ソファーに座って、リモコンをとりテレビをつけた。
薄暗い部屋の中で、ぼんやりと画面を眺める、テレビの音は消して。
画面の中では昔の外国ドラマがあっていて、幸せそうな少女がいた。