【短編】Christmas Present
言わせるに決まってるじゃない。



私は勢いよく身体を起こした。



「ねぇ?」



顔を覗き込む。



拓都はぐりんと私の顔を背けさせてから、「好き。」と蚊の鳴くような声で言った。



ぐきりという嫌な音で半分掻き消されたが。



「はぁ、やっと想いが通じた瞬間。」



首をさする。



あ~、これは長引く痛さだ。



「私、ホントはもっとロマンチックな告白したかった。」


「お前がいきなり喧嘩の最中だってのに言い始めたんだろ?」


「だってこれ以上このままだったとしても、私達なんにも変らないと思ったから。」



確かに、と拓都は頷く。



「そう思ってたんなら行動しなさいよ、ヘタレ。」


「うるせぇな、言っただろ、下手に関係壊したくなかったんだよ。」


「草食系男子なんて、私認めないから。
ちゃんと言ってよ。」


「へーへー。」



二人仲良く腰かけ、これからもこのままでいられるんだと安心する。



「はぁ、クリスマス当日、恋愛成就、と。」


「なんか、記念日がクリスマスとか、ベタじゃねぇ?」


「じゃあ、一日早く言えばよかった?」



私が睨むと、拓都はついと肩をすくめた。












































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