愛詩-アイウタ-
「了解」



 瑠架は300円を渡す。それを見て光璃はコンビニを眺めた。



「るぅ、ひぃ帰るね」


「あぁ、送るよ」


「いぃのいぃの。ひぃコンビニ寄るから」


「俺も寄るし!」


「ありがと」



 クスッと笑い、すぐ近くのコンビニに向かう。



 入っても[いらっしゃいませ]なんて言われない。それが少し嫌だ。


 と言っても、店員一同で[いらっしゃいませ!]も嫌だが。



 光璃はわき目も振らずそのままレジへ。緑色のケースを目が捉えると、小銭を入れる。


 弾んだのか、チャリチャリンと音がする。


「この心遣いが大事なのです♪」


「そぅだな~俺もこれから入れよ!」


「るぅっぽくない~」



 久々に話すと、お互いのことがわかった。


「えっ…瑠架同じ高校!?」


「知らなかったのかよ!一緒に受けたじゃん」



「忘れてた~ひぃ忘れっぽいのかな」



「かもな。俺7組だけど、光璃は?」


「ひぃは2組。るぅ7組かぁ~今度遊び行ってみる!」



 ずっと話していたら、いつの間にか光璃の家がある通りだった。


「ひぃん家ここら辺だよ。ありがとね!」



「あぁ。またな!」



 確か瑠架も同じ通り。



 それにしても、変わりすぎ…。もっと髪黒かったし、ピアスなんて開けてなかったし…。


「前は友達にバス賃払わせるくらいのドケチだったのに!」


 そう言って光璃は笑った。




< 16 / 74 >

この作品をシェア

pagetop