愛詩-アイウタ-
「ストップ!!多分ひぃのだよ~っ!ティッシュ使って!」



 ポーチの中にある[衛生セット]からティッシュを出し、のびた唾液をふきとる。



「もうやだぁ…っ!るぅごめんねっ!」



「大丈夫だって。オレ手でもよかったし」



「そんなことないっ」



「ううん」



 るぅはにっこり笑って言った。


「光璃もう元気でた?」



「あ、うん…っ!ありがとうね!!」



 そういう、忘れないところがるぅの長所。優しくて、強い。



 だから、るぅはモテると思う。成績はひぃとほぼ一緒だけど、ルックス、運動神経、性格。



 何をとっても目をひく。



 他にいい人見付けたら、ひぃから離れる?考えると悲しかった。


「るぅ、ひぃを置いてかないでね…」



「当然」



 ひぃは、本当単純。るぅの言葉とか態度ひとつひとつに一喜一憂してる。


 でも、安心した。るぅは離れない。



 永遠なんてないことくらいわかるけど、これはひぃの中で半永久的なもの。



 わかってるけど、永遠を願った。



「そろそろ誰か来るんじゃない?」



「あぁ、そうかも。そしたらゆっくり出来ないよなぁ」



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