君と見た空。
梅雨が過ぎ、夏らしさを

少しずつ感じられるようになった、

公園の昼下がり。


僕はいつものように、

ある公園のベンチに腰掛けていた。

手には愛用のカメラと、

一枚の写真が握られている。


公園に響くセミの鳴き声も、

ジリジリと照りつける太陽も、

この、青く綺麗な空も、

全部全部、君と感じたかった・・・。


思い出すのは君の笑顔と、

あのときの少し寂しさをおびた涙。


僕の忘れられない初恋だった――。


「そういえば、この頃だったね。」

君に、茜に出逢ったのは―――。
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