真っ暗な闇の先に
2
大学3年、春。
門から続いている桜並木は今年も圧巻だ。その下で、真新しく着慣れてはいないであろうスーツを見に纏い、両手に抱えきれない程のサークル勧誘のビラを持ち、戸惑っている新入生達が次々と自分の学部棟に向かっていった。
アタシも2年前こうだったな、ビラなんて正直いらないんだよな−そんなことを思いながら、既に新入生達の両手に形成されたビラの山に自分のサークルのビラを置いていった。
「アタシたちも3年だって。めちゃくちゃ早いよねー。」
“ビラ置き”に飽きたであろうトモダチが退屈そうに話し掛けた。
「そうだねー。大学生なんてあっという間だね。」
「そうそう、もう少ししたらうちらも“シューカツ”だよー。」
げんなりとした表情を浮かべ彼女はそう言った。ここ最近アタシの周りでは“シューカツ”という単語が飛び交っている。
門から続いている桜並木は今年も圧巻だ。その下で、真新しく着慣れてはいないであろうスーツを見に纏い、両手に抱えきれない程のサークル勧誘のビラを持ち、戸惑っている新入生達が次々と自分の学部棟に向かっていった。
アタシも2年前こうだったな、ビラなんて正直いらないんだよな−そんなことを思いながら、既に新入生達の両手に形成されたビラの山に自分のサークルのビラを置いていった。
「アタシたちも3年だって。めちゃくちゃ早いよねー。」
“ビラ置き”に飽きたであろうトモダチが退屈そうに話し掛けた。
「そうだねー。大学生なんてあっという間だね。」
「そうそう、もう少ししたらうちらも“シューカツ”だよー。」
げんなりとした表情を浮かべ彼女はそう言った。ここ最近アタシの周りでは“シューカツ”という単語が飛び交っている。