私が悪い
「ちょ、江美ちゃんかなりキツいー」
下品な笑い声を聞くと、どんどん自分に力がつく気がした。
優越感に浸る。
「だってホントのことじゃん?まじキモイしコイツ。
生きる価値なんてナイナイ」
まるでこの世を征服したかのように、大きな満足が襲う。
本当はただ、“私”という小さな世界が満たされているだけなのに。
でも今はそんなこと考えられない。
思考は使いものにならず、ただもっと注目を浴びたい。
もっとこの陰湿女に苦痛を与えたい。
そんな衝動が、私をつき動かすのだ。
体育館の倉庫の中は、薄暗く見つかりづらい。
私たちはいつもいじめに利用していた。
さらに絶対見つからないようにと、外に見張りまで用意している。
そこまで念入りにいじめをやるのは
私たちにとって、それは趣味の一つだから。
汚い?
最低?
そんなの、わかってる。