桜、月夜、愛おもい。



腹黒桜の精、凛桜に会って一週間。

私は今、屋上で昼食中。


「う゛~っ!寒い!」

「奈津…唸るな。一応女でしょ?あんた」


この失礼なこと言ってるのは、私の親友矢野咲菜。
思ったことをズバズバ言う毒舌美人だ。



「一応って何よ。正真正銘の女だっての」


私は咲菜の言葉に更に唸る。


まだ春先の今の季節。

いくら暖かくなってきたとは言え、屋上に吹く風は震えるくらい冷たい。



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