DEBU専すくらんぶる
 午後1時、放送部・細田ツバサのアナウンスが体育館に響いた。
「さあやってまいりました、学園初の格闘技イベント、キャサリン争奪杯デブ専クライマックスの開催です!
我が学園理事長のお嬢様であられるキャサリン嬢の心を射止めようと名乗りを上げた3人の侍たち!
いま!己の恋とプライドを賭けた男たちの熱き戦いが幕を開けます!
解説は私、放送部所属の細田ツバサ、同じく解説席には本大会主催でもありますキャサリン嬢、そして大会に参加しています明智カルマ選手の幼馴染三好シズカさんにもおこし頂いております。それではお二人ともよろしくお願いします」
「よろしくお願いいたします」
「お願いしまーす」
「さて、早速ですが第一回戦が行われる模様です。リングアナはポポちゃんこと穂高タカオ、レフリーは柔道部顧問の斉藤先生です!」
 ざわついていた会場が潮が引くように静かになっていく。リングアナ・ポポちゃんの声が試合開始を告げた。
「ではこれよりデブ専クライマックス第一回戦、イージス竹中 VS キラーコワルスキー黒田の試合を行います!」
 会場が一気に盛り上がる。試合前に冗談で話していたリングネームがそのまま使われてやがる。うかつだった、これはそういう大会なのだ。忘れてた。
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