Bitter Sweet Kiss
「だって食べるとお腹をすぐ壊すからわかるのよ。それに夏の暑い日に、こんなこともあったわ。
『また食べたでしょ?』って問い詰めると『食べてないよ』って声を揃えて。あなたの手とカイちゃんの口のまわりは、溶けたチョコでベタベタなのに」

「あぁ、よく覚えてる。
2人で並んで立たされて、僕まで母親に叱られてる気分になった」

「あとね、よそのお宅の木に勝手に登って枝を折ってしまったり。散歩しに行ったまま帰ってこなくてわたしを心配させた。
まるでトムとハックルベリーみたいだったの、あなた達って」


二人は笑った。本当に楽しそうに、幸せそうに。

なんだよ、その話?
そんなの記憶にねーよ。それじゃまるでオレとこの人が……
< 227 / 351 >

この作品をシェア

pagetop