スイート キッス
「うるさい!」

「はいはいすみませんでした」

「………」

結局私達は手を繋いだままショッピングモールに来た。

「何買おっかなぁ……」

「…………」


なんか蓮がさっきから静かなんだけど。

「蓮?」

「…眠い。」

「はぁ?」

なんなの!?

「そ。」

「あっ蓮君じゃない?」

誰?

こっちに寄ってきた茶色いストレートの髪がよく似合う女の子。

蓮はその女の子と仲良く喋っている。

なんで?

ファンの子達にとる態度とは全然ちがう。

あ……涙出そう。

私はその場に居たくなくて走りだした。

ただの現実逃避かもかもしれない、いや、現実逃避だ。

そんな自分が嫌になる。

蓮が他の女の子と話すだけで涙出そうになるなんて。
こういう時思うんだ

どうしようもないくらい蓮の事が好きなんだ…って。

その時……
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