峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
願書を出した夏。
試験は、秋。


峰岸……もうすぐだよ。



もうすぐ、そばに行くよ。










初冬。

葉が落ちきった木々に冬独特の灰色の空が同調し、吐く息も白くなり始めた頃。


専門学校の合否通知が届いた。


白い封書に、あたしんちの住所と学校の住所が印刷されているだけなのに、やけに重く感じる封書。



開いた結果は………合格だった。




………やった……。
あたし、東京に行けるんだ。

峰岸の居る東京に行けるんだ!


やった!やったよ……!


合格の印刷文字は、東京に来てもいいよって言われてる気さえするよ。

あたしを応援してくれる言葉みたいで…。

いいんだよね、あたし…峰岸に少し近付いたんだね?

嬉しい…嬉しいよ!



良かったねと言ってくれるお母さんに、あたしの本心を考えたら、少し罪悪感がわいた。


けど、峰岸と会える嬉しさの方が上回っていて、熱くなっていく頬を感じながら、のぼせて倒れない様にって気を張る事くらいが精一杯だったんだ。



峰岸に教えたい。
今すぐ教えたい。
行くよって伝えたい。



驚くかな?
喜んでくれるかな?
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