ほのかとひかる

陸君は

あたしが言葉を重ねたのがびっくりしたらしく



しばらく黙っていた。





「陸君…………


あたしが頑張るから……




だから……陸君も………




幸せになって」






あたしがそこまで言うと全部わかったかのように






「ああ


………でも最後に」






そう言ってもう一度抱きしめると






《ちゅっ》







「………じゃあな」










陸君は…



泣いてるのに
悲しい顔をしてなくて







昔っからあたしを大事にしてくれてるお兄ちゃんのまんまだった。







陸君がキスしたおでこを触る。




「頑張らなきゃ」






あたしの中で昔のあたしがあの言葉とともに羽ばたいた………






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