Sweet Sweet Christmas
「こうしたかったんだ…。
梨絵に会えたときから。ずっと。」

「え?」

「さすがに駅でんなことしたらまずいって思って止めたけど。」


久哉の声が耳元で聞こえる。
温かい体温が、これ以上ないってくらいに心地よくて、あたしも腕を回した。


「久哉…ごめんね。」

「え?」


あたしの言葉をこのままの状態で聞いてくれる久哉。


「あたし…自分勝手で…今年、帰れなくって…。
わざわざ来させちゃって…。本当にごめんね。」

「…んなことか。
別に俺はただ会いたくて来ただけだし。
梨絵が忙しいのも、すげー頑張ってるのもちゃんと分かってるから気にすんな。」

「だけど…あたしが帰れないって電話したときの久哉の声…すごく…。」

「あ、もしかして、寂しいオーラ出しまくってた?つーかばれてた?」


あたしはコクンと頷いた。


「マジかよ…俺もまだまだだな。
でも寂しいなら自分で会いに行けばいいだけの話なんだよ。だから来た。
んで家族みたいなクリスマスを梨絵と過ごせた。
梨絵と家族になるのも決意出来たし。ってかこれは元々してた決意だけど。」

「え?」

「あー…早く家族になりてぇー!!」

「なっ…何言ってんの!?」

「え?本音?」

「…ストレートすぎるよ、久哉…。」

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