完璧男子
 それから夏川さんは鼻歌を歌いながら何事もなかったのように教室から出て行った。




 私はペタっと床に座り込んだ。





 正直、何が起こったのかわかんない…。



 

 残ったのは



 蓮がキスされた憂鬱感と



 泣きたくなる感情と…




 胸を締め付ける晶との記憶。






「優枝…ごめん…」

「蓮のせいじゃないでしょ?」

「でも…」

「謝んないで…余計につらくなっちゃうよ」

「…分かった…」



 蓮はそれから何も言わず私を抱きしめた。




 夕菜ちゃんと歩夢君も何か話してるみたい…。





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