完璧男子
「大丈夫」


「えっ…ちょっと!! 優枝ちゃん!?」


 海司さんが腕を引っ張った。



「お兄ちゃんっ、優枝ちゃんと蓮君は大丈夫だから…時間稼ぎしないと」


「でも…ここ2階だよ? 下は普通の道路だし…」

「お兄ちゃんが思ってるより2人ともすごいから」

「優枝ちゃん…運動苦手そう」





 苦手じゃないんですけど……それなりには出来るはず。




「んじゃ、とりあえず逃げるから。先、下行ってる」



 そういうと蓮はストっと降りて行った。




「じゃあ…私も行くね? パパさんに謝っておいて?」

「分かった!!」

「優枝ちゃんっ!?」




 窓から飛び降りると風が体を通り抜ける。




「優枝」


 蓮が上手くキャッチをしてくれてそのまま走れた。





 いつもより体が軽く、すいすいと進む。




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