完璧男子

誘拐

息が切れ始めたころ…私の家についた。



「パパッ!!」



 書斎にいたパパに飛びつく。




「優枝か。蓮君も。 パパ、頑張ってるんだが…まだ混乱は納まりそうにないよ」

「そうですか…」




「最後にはバレちゃうんだけどね…。こんなに早いとはちょっと予想外だったね」


 
 パパはそういうとため息をついて、パソコンを見始めた。




「結構狙われてるでしょう?」


 クスッとパパは笑い、一瞬こっちを見た。




「うん…」

「今日もここまで走ってきましたよ」

「楽しそうだね♪」




 パパはこういうところがある。




 どんなことにもポジティブで面白がる。




「な、優枝? 俺の部屋で映画でも見ねぇ?」

「え? こんなときに?」

「こんなときだから…落ち着かね?」



 私は蓮について蓮の家へ。




 まっすぐ前だから10mも距離はない。




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