完璧男子
「優枝! 調子悪いでしょ?」

「ん? 平気―」

「バカねー…」



 ぼっとする頭だって、さっきから熱い顔だって……震える肩だって全部…邪魔。



「笠間さーん? この問題といてくれるかな?」

「…ごめんなさい」


 大好きなはずの英語だって喋る気ない。


 
 放課後に呼び出された私はふらふらと歩く。



「もーぅ、優枝ちゃん遅ーい!!」


 教室の前で待っていた女の子はほかの人に怪しまれないためか絶対普段なら言わないしゃべり方で話す。



 教室の中に入るとガラッと変わる顔つき。


「ねー? どういうつもり?」

「どこから出たの?」



「…窓から飛び降りました。」


「クスッ…バカじゃないのー? どうせ運動神経もないんでしょ?」

「…」

「バカだもんねー?」

「知ってた? みんな! こいつこの間の中間テスト平均40点だったよ?」

「マジで? バカじゃん」




 勝手に解釈しないでよ。



 調子が悪かっただけだもん。




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