夜桜
死んだ目をしたライオン
ドスッ
「…うっ…。」
目の前に倒れる
奴ら…。
ついにあたしは
この世のNo.1を手にした。
先輩たちが族から卒業し
あたしが族の総長を任され
【先輩みたいになりたい】
という一心で
ここまできた。
あたしの名前は
大柳 結城 (オオヤギ ユウキ)
【天王龍会】の総長。
通り名は【雷蝶】
「先輩…帰りましょ?」
天王龍の後輩はニコッと
微笑みあたしに手を差し伸ばした。
あたしは後輩の手をグイッと
引っ張ると力なく立ち上がる。
全身血まみれの特攻服。
洗わなきゃだな…。
「おい…待てよ。」
まだ歩き始めたばかりの時
背後から威勢の良い声が
コンクリートの壁に跳ね返りその場の空気が黒く染まる。