初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
「――このあと、本当はチーズが出されるんだよ」

 お皿を持っていってもらってから、シンさんはテーブルに手を置き、あたしを見てにっこりと微笑んで教えてくれる。

「そうなんですね。あたし、全部初めてなので、全く分からなくて――」

 正直、料理の途中でこっそりと食器の使い方や料理の食べ方についてシンさんがいろいろと教えてくれるのが、すごくありがたかった。

「お酒を飲んでいたらチーズもいいと思うんだけど、今日は飲んでいないし、ここのデザートは絶品だから、少しでもお腹のスペースを空けておきたくてね――さっき、ギャルソンに頼んでチーズは省略して、デザートを頼んだんだ」

 あ、だからさっきの人に耳打ちしてたんだ……

 あたしもお腹がいっぱいになりかけていたから、チーズまで食べちゃっていたらちょっと苦しかったかも。

「あたしもそのほうがよかったです」

「お腹、いっぱいになりそうだった?」

「はい」

 恥ずかしかったけど正直に答えて頷き、目の前のグラスの水を1口。

「でも、全部美味しすぎて、胃が破裂しちゃってもいいって思ってました」

「ははっ、そこまで気に入ってくれてよかった。ここを選んで予約した甲斐があったよ」

 そういってシンさんも笑い、同じようにグラスの水を飲む。

 ――そこで、あたしはある疑問がふっと出てきた。
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