初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
「さて――本当なら、ここで温かい飲み物が運ばれてくるんだけど」

 デザートのお皿がさげられるとき、シンさんはまたギャルソンに何かを耳打ちしていて、ギャルソンもそれに笑って頷いていたっけ。

「食後のお茶は、違う場所で飲もうと思っているんだけど――いいかな?」

 向かいに座るあたしの顔を見て、シンさんは微笑んだ顔のままそう提案してくれる。

「別の場所……ですか?」

「うん。――あぁ、別って言っても同じホテルの中で……屋上にあるラウンジなんだけど……」

 どうかな? って聞いてくれて。

「そこも予約制ですか?」

 あたしは冗談っぽく笑って聞いてみた。

「うん? あははっ――そうだね、うん……ここが嫌だって言われたら、次に連れて行きたいって思っていた場所なんだけど、あいにく、予約は受けてくれるような場所じゃなくてね……でも、席は2人分、ちゃんと空いていると思うんだ」

 そしてシンさんは魅惑的な輝きを見せた目を向けてくれながら、

「――食後のコーヒー、そこでご一緒してもらえますか? さつきちゃん」

 優しい声色と丁寧な口調で問われ、あたしは頭の中が真っ白になったけど。

「はい――」

 こくん、と頷いた。
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