月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
 うちの制服は男女ともにブレザー。女子はリボン、男子はネクタイで学年が分かる。

 1年は青、2年は赤、3年は緑。

 真新しい緑のネクタイとメガネを少し直して、中尾先輩は言った。真面目そうな、素直そうな目で真っ直ぐ見られて、少しまごついてしまう。

「俺は見てたからね、真面目にやってた幸田さんを、偉いなって思って」

 生徒会の他の生徒が支度をして帰り出している。

 命懸けてるような人には熱い会議だったかもしれないが、あたしにとっては退屈以外の何者でもなく。

 でも、何かみんな頑張ってるから、あたしも少しは力になりたかった。その気持ちに嘘はない。

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