月光レプリカ -不完全な、ふたつの-のレビュー一覧

平均評価星数 ★★★★★ 5.0
★★★★★
2013/04/23 20:22
投稿者: 櫻いいよ さん
ひとつでは、不完全

高校生の晃と冬海。 ひとつ年下の彼の魅力に気がつけば目が離せなくなり、気がつけば、恋をしていた。 高校生の恋愛、とカンタンに言葉に出来ないストーリーに、気がつけばどっぷりとはまり込んで夢中で頁を捲りました。 不器用で不安定な思春期に、少し大きすぎる問題。だけどそれを“思春期”の彼らは真っ向に受け止め悩み、そして突き進む。 その中にあるたったひとつの、だけど恋をする上で、人と関わりを持つ上で一番大事なことがぶれない二人に、ただただ心から、幸せになって欲しいと願いました。 オトナになるとこんな風に受け止めるのは難しい。 私は彼女と彼を、羨ましいとすら思います。 不完全は、これから完全にすることが出来るかもしれない。 「私で消せばいい」 このセリフは、忘れられないと思います。 是非、ご一読を。

高校生の晃と冬海。
ひとつ年下の彼の魅力に気がつけば目が離せなくなり、気がつけば、恋をしていた。

高校生の恋愛、とカンタンに言葉に出来ないストーリーに、気がつけばどっぷりとはまり込んで夢中で頁を捲りました。

不器用で不安定な思春期に、少し大きすぎる問題。だけどそれを“思春期”の彼らは真っ向に受け止め悩み、そして突き進む。
その中にあるたったひとつの、だけど恋をする上で、人と関わりを持つ上で一番大事なことがぶれない二人に、ただただ心から、幸せになって欲しいと願いました。

オトナになるとこんな風に受け止めるのは難しい。
私は彼女と彼を、羨ましいとすら思います。

不完全は、これから完全にすることが出来るかもしれない。


「私で消せばいい」

このセリフは、忘れられないと思います。
是非、ご一読を。

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★★★★★
2013/04/14 00:37
投稿者: 黒原紫音 さん
ネタバレ
不完全だからこそ映える光


不完全で、不器用で、未熟。
ただシンプルな感情に従って紡ぐ不完全な愛情、関係、未来。
10代だからこそできる恋愛で、でも10代の男女が抱えるには少し大き過ぎる“壁”。
晃と冬海が羨ましくもあり危うくもあり、お節介ながら二人の決して楽ではないこの先を想ってしばし胸を痛めました。

螢さんはいつも難儀な方を選んで言葉を紡いでるように思えます。もっと安易で楽な言葉もストーリーもあるのに敢えてこの選択をして書き切る心意気に拍手を贈りたいです。
だって安易に書く方がラクですもの。
でもそれをしないからこその“蒼山螢”なのでしょうね。流石です。

月は自らは光を発しません。
他者から譲り受けた光で形を変える月光は、不完全な彼等を照らすに相応しいものなのかもしれませんね。

何色でも構わないので二人の明日が同じ色に照らされますようにと祈るばかりです。

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★★★★★
2013/04/10 20:14
投稿者: かな さん
透明っていう言葉そのもの

とても痛く苦しいところに切り込んだ作品なのに、どうしてこんなに透明って言葉が似合うんだろう。 この物語を読んでいて、そう思いました。 晃が冬海に魅入られた時の描写。 私も一緒に、彼に引き込まれた瞬間でした。気がついたら、二人の幸せを願ってた。 二人がたどり着いたのは、決して何不足ない幸せの形ではないかもしれない。でも、これから二人で、二人だけしか作れない幸せの形を見つけていける。そう思いました。 晃が冬海に言った、 「わたしで消せばいい」 という台詞が、レビューを書いている今でも心に響いています。私も、こんな風に誰かを想えたらいいな。 素敵な物語をありがとうございました!冬海も、晃も大好きです。

とても痛く苦しいところに切り込んだ作品なのに、どうしてこんなに透明って言葉が似合うんだろう。

この物語を読んでいて、そう思いました。

晃が冬海に魅入られた時の描写。
私も一緒に、彼に引き込まれた瞬間でした。気がついたら、二人の幸せを願ってた。

二人がたどり着いたのは、決して何不足ない幸せの形ではないかもしれない。でも、これから二人で、二人だけしか作れない幸せの形を見つけていける。そう思いました。


晃が冬海に言った、

「わたしで消せばいい」

という台詞が、レビューを書いている今でも心に響いています。私も、こんな風に誰かを想えたらいいな。

素敵な物語をありがとうございました!冬海も、晃も大好きです。

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