月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
 高校の入学式の時に、あたしが退場の時につまづいて転んで、それを助けてくれたのがきっかけで、二人と仲良くなった。

 2年になっても、奇跡的に同じクラス。

「梓は彼氏いるんだから、1年あさりしなくったっていいじゃん」

 あたしはお弁当の唐揚げに、箸をぶっすりと刺す。

「あさりとか言わない。物色してんの」

「はぁ。いいなぁモテる人達は」溜息をつくあたし。


「アキラ、ただでさえ近寄りがたい雰囲気満載の美人なのに、生徒会なんかやって、もっと男が寄りつかなくなるよ」

 美由樹が、ポニーテールにした髪を揺らして言った。
 生徒会は関係無いでしょ。


「しょうがないじゃん、1年でクラス選抜。断れないし」

 そして、あたし自身は特に目立ってやってる事もないし。

「彼氏欲しい、とか言いながら恋愛しないもんね、アキラ」

 そーそー、梓と美由樹は言う。

 そんな事、ないよ。
 傷付くのは怖いけど、恋はしたい。




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