甘い部屋
FERST ROOM
謎の男
あたしは普通の高校2年生。
本が好きなあたしは毎年図書委員になっている。
人気が無いからジャンケンすることも無い。
あたしはいつものように図書館棟へ行って貸し借りの仕事をする。
『ガラガラ…』
ドアを開けるとほんのりと本の香りがした。
電気を点けると、たくさんの本が本棚に敷き詰められていた。
この光景はいつもと同じ。
でも今日は微妙に違っていた。
カウンターに行くと机の上に鍵が置いてあった。
このとき、あたしは図書館棟の鍵だと勝手に思い込んでいた。
本の整理も終わり、ドアを閉めようとしたときだった。
「あれ…?」
鍵が穴に合わなかったのだ。
じゃぁこの鍵は一体何処の鍵なの?!
心の中で訴えても答えは出ない。
あたしは仕方なく職員室に預けることにした。
帰りの途中、図書館棟に一つの部屋があった。
その部屋がどうしても気になってしょうがなかった。
ドアを押したが鍵が掛かっていた。
あたしは思い切って鍵を穴に挿してみた。
『カチャッ』
鍵が開いた音が聞こえた。