ダブルベッド




 充が目覚めたのは日付が変わった頃だった。

 部屋は真っ暗で、しかし桃香が隣にいることは温度と寝息で確認ができた。

 充はゆっくりと寝返りを打ち、片寄っていた体のバランスを取り戻す。

 さすがに体がだるい。

 もう若くねぇな。

 そう思いながらフローリングからTシャツを手繰り寄せる。

 エアコンの効いた部屋で半裸はさすがに冷えた。

 シーツの大部分は桃香の体に巻き付いている。

 哀愁漂う彼女にも子供のようなクセがあるのかと、少し微笑む。

< 222 / 345 >

この作品をシェア

pagetop