ダブルベッド




 土曜日、早朝。

 まだ日も出ていない時間から、充は鏡とにらめっこ。

 着ていく服で悩んでいるのだ。

「くっそー、どれにしよう。新調すりゃ良かったかな」

 とりあえずジーパンと靴下を履き、似たようなTシャツを並べて腕を組む。

 真夏の遊園地だ。

 色の濃いものは避けよう。

 かといって白も光を反射して眩しいかもしれない。

 携帯の天気予報によると、今日の天気は快晴。

 最高気温は30℃を上回る。

 出掛けるときは熱中症に注意しろと書いてあった。

 そんな暑苦しい予報を読みながら、充は心底車移動にしておいて良かったと思った。

 桃香はしきりに電車にしようと言っていたけれど。

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