ダブルベッド

 沢田は視線に気づき、気まずそうな顔をした。

「説明してくれ」

 と暗に込められたメッセージは、しっかり届いたようだ。

 女子二人はいつの間にか、美容の話で盛り上がっていた。

 彼女らをそのままに、充と沢田はベンチに移動。

 遊び疲れた腰を下ろし、沢田の方から口を開いた。

「何から話せばいい?」

「それじゃあとりあえず、沢田さんと毎熊さんの関係から」

「あー……、この際だから言うけど、俺たち結婚する予定」

「はぁっ?」

 思わずすっとんきょうな声を上げてしまった。

 だって奈緒は、彼氏と別れたショックで会社を辞めたのではなかったか。

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