いちごキャンディー
矢野の話の進まなさに俺は口を挟んだ


『結局、俺に何を頼みたいんだよ!』

「あ‥‥悪い(笑)俺さ、親の急な転勤でアメリカ行くんだ!」

『へぇ‥いいじゃんアメリカ。』


“だから、告白したんだけどさ”なんて爽やかに言った後


「三浦の事、頼む。」

『‥‥‥‥は?』


そこって普通、榊をたのまねぇ?

だってさっきまで榊の話してたよお前


なんで空澄?


「まさか日高が若葉の事好きだって思ってなかったからさ‥でも、やっぱ日高にしか頼めなくて‥‥」

『‥…』


胸が軋んだ‥‥俺は、何をしてるんだろう…


「三浦隠してるけど、ちょこちょこ嫌がらせされてるみたいなんだ‥」

『っ!!』


何言ってんだ??

俺はそんな事知らない



「誰にも言ってないみたいなんだけど‥俺はたまたま知ってさ、ほっておくわけにはいかないから‥‥」

『何でそんな事に?』


そう聞くのが精一杯だった


「日高は三浦には優しいから、日高を好きな子に嫉妬されるんだよ。日高にとって三浦は特別な子なんじゃないかって…」

『俺‥‥どうしたらいいんだ…』


そう呟いた俺に矢野はただ謝った


「こんな事言ってごめんな‥」
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