いちごキャンディー
俺と榊は顔を合わせてほぼ同時に


『まぁ!!』
「うん!」


と、笑顔で答えた。


「うわぁ、今アイコンタクトしたよ!!」


そう言って俺たちを隆平がちゃかした


『前半は家庭教師してたけど(笑)』

「いびつなクッキーにビビったりもしたしね(笑)」

『あれは榊のせいじゃん(笑)』



夏休みの思い出を語る俺たちを見て隆平が言った


「すっげぇ仲良くなってるけど、何かあった?!」


その言葉にいったん会話をやめて答えた。


『まぁ、しいていうなら‥‥』

「ちょっとね‥‥(笑)」


視線を合わせて意味深に笑う二人に隆平が


「なんだよっ!!」


と、先を促すと


『別れた』
「別れた」


二人は見事にハモって、爽やかな笑顔を隆平に向けた


「はぁぁ?」


朝の叫びよりもさらに大きな声で叫んだのは言うまでもない。


―しばらく三人で話していたら榊が時計を見て呟いた。


「空澄遅いー!!」

『何かやってんの?』

「ほら、剛がアメリカ行っちゃったでしょ。だから生徒会長になっちゃってさぁ!!」


どうやら空澄は引継の事で先生に呼ばれて職員室に行ったらしい。
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