姫とギター〜麗しき美男子の城〜
「――!」
瞼を開けると、息が出来なくて飛び起きた。
過呼吸ぎみの呼吸を繰り返して、無意識にボロボロと涙が零れる。
「――うー……。」
声ですら、うまく出せない。
部屋の中を見渡して、ここがどこなのか……それを確認すると、ようやく落ちついてくる。
嫌な夢を見た。
ガキじゃあるまいし、
夢ぐらいでこのザマかよ。
俺の手は小刻みに震えていて、それがどうしようもないほど腹立たしかった。