キスフレンド【完】
「お父さんとお母さんがどんなに理子ちゃんを心配していたか……――!!」
「だけど、お父さんあたしに一回も連絡してこなかったでしょ?」
声を荒げたお父さん。
こんなに恐い顔をしたお父さんを一度も見たことがない。
だけどあたしは、意地になって言い返した。
「心配してるなら普通、メールの一通でも送ってくるでしょ?」
あたし、こんなにもお父さんの愛情に飢えていたんだ。
今、実感したよ。
あたし……お父さんに怒られたかったんだ。
怒られたくないって思うのが普通だけど……あたしはちょっと違う。
だって、怒られるのはそれだけ関心があるってことでしょ?
何をしてもどんなことを言っても怒られないのって、すごく悲しい。
それって、もう何の興味も関心もないってことだもん。