キスフレンド【完】
紫苑はあたしのお願いなら、全部受け入れてくれた。
行きたいと言っていたところにも、連れて行ってくれた。
遊園地、映画館、水族館、動物園……――。
「親と行ったことないから、なんか新鮮」
紫苑はそう言っていつものように柔らかい笑みを浮かべていたけど、瞳の奥は笑っていなかった。
シロが亡くなって悲しむあたしを少しでも元気づけようとして、色々なところに連れだしてくれているのかもしれない。
最初はそう思ったけど、やっぱり違和感を感じて。
まるで、やり残したことを今になって慌ててやっているみたい。