キスフレンド【完】
「ね、する?しない?どっち?」
茶色く澄んだ瞳があたしを捕えて離さない。
きっと、こうやって見つめられて『する』か『しない』か聞かれたら、
大半の女の子は『する』って答えちゃうはず。
一度だけでも味わってみたい。
彼の味を……――。
だけど、その味を知ってしまえばきっと紫苑とは終わる。
屋上でこうやって一緒にいることも、しゃべることもできなくなってしまう。
紫苑に抱かれたとしても、紫苑があたしを愛してくれるわけがないんだから。
だからあたしは……――。