キスフレンド【完】
「しないよ」
「そっか。したくなったら、いつでも言って?」
紫苑はそのまま地面に横になると、ゆっくりと目を閉じた。
長いまつ毛、形のいい鼻、薄い唇。
ボタンを二つ開けているから、綺麗な鎖骨が良く見える。
ほんのりと日焼けしているその肌は、キメ細やかで。
そして、とても温かそう。
……触ってみたい。
紫苑に触れて、その体温をじかに感じたい。
「見惚(みと)れた?そんなに見られると、ちょっと照れる」
すると、紫苑は薄ら目を開けて口元を緩ませた。