キスフレンド【完】
「男の子のこと……心から嫌いなわけじゃないよ」
「へぇ……。けど、俺と似てるかも」
「紫苑は女の子が好きでしょ?」
「好きか嫌いかって聞かれたら、嫌いだよ」
「……何かよく分かんないね」
「ね、姫。俺が姫とキスした理由、聞きたくない?」
目の前には紫苑の整った顔。
紫苑があたしとキスをした理由。
もし理由があるなら……聞きたいよ……。
あたしが頷くと、その口元が徐々にあたしの耳元に近付く。
「姫には最初会った時から、同じ匂いを感じた」
紫苑はあたしの耳元でそう呟いた後、あたしの唇にキスをした。