雪色の魔法
別れを告げ、外はすっかり寒く白い息だけが空を切った。
月明かりが消え、さっきよりも濃く暗い空模様に
チラチラ、と白い結晶の塊が舞い降りている。
拓海、
今、貴方の大好きな雪が降っているよ。
今日の雪は冷たいよ。
前に見た時は暖かかったのにね。
唯一の支えを失った今、
これから、どう生きていったらいいのか分からない。
『また、明日な』
昨日病室で交わした小さな約束は、こんなにも簡単に裏切られるなんて、思ってもみなかった。
凄く元気そうで、優しい笑顔をしていた。
──せめて、あと少し待ってくれたら、一緒にクリスマス、出来たのに。
神様の意地悪。
空を見上げると、白く銀色に光ったものが舞い降りてきた。
雪とは違う。
次第に大きな輪となり、あたしを取り囲んだ。
背中に羽と頭上の輪っかが見える。
──天使?
あは。
あたしも、直ぐに拓海の傍に行けるのかな?
それも、有りかも。
なんて、安易に思ったその時、