-Many mind-

『な?いいだろ、椎名!』


思わず黙ってしまうあたし。


こんなこと言われたの初めてだ。
ましてや、こんな明るいヤツに。


頬の辺りが熱くなって、
体温が顔に集まってきた気がした。



『・・・わ、わかんない・・・』


『はぁ?わかんないって何だよ。
 いいじゃん減るもんじゃねーし!』


『だってわかんないんだもん!
 友達できたことないし・・・』


『そんなん俺もだって!
 俺も16年間ロクに友達できたことねーもん!』



『え?!嘘だっ・・・絶対いっぱい友達いるよ』


『ホントだよ!』


『ほ ホントでもっあたしよりもっと
 いい人いるじゃん・・・何であたしなの』



そう言い終えてから
大きく息を吸った。


身内以外とこんなに喋るの
初めて・・・じゃない?あたし。


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