-Many mind-
あたしの方がその空気に耐えきれなくなって
何か話そうと口を開いた瞬間、
先に川瀬が沈黙を破った。
『じゃあ、次俺と会うまでに
笑えるようになってたらいいじゃん?』
そう言って下を向いたままの
あたしの頭をぽんぽんと撫でる。
思わず顔が真っ赤になったのがわかった。
『そんじゃー学校行ってこい。』
蝉の声と彼の笑顔が
あたしに早くいけと急かしているような気がした。
『うん、…ねぇ、次っていつ?』
『気分次第。』
『…答になってないじゃん』
『気長に待っといて。その内行くからさ』