求愛
「リサちゃん、また会おうね。」


大して本気そうでもない言葉を軽く受け流し、自宅近くのコンビニで降ろしてもらった。


もうすっかり夜の世界に変わった空の色は、果てしないまでに暗い。


一度体内から失ったモノの虚脱感は、自分が思うよりもずっと大きくて、吐き出した吐息には諦めが混じった。


誰かと会って、騒がしい時間を過ごせば過ごすほどに、その後に襲ってくる喪失感を制御しきれなくなりそうで怖くなる。




【ねぇ、何やってる?】

【来週の日曜、遊ばない?】

【愛してるよ。】




携帯にメールが入る度、必要とされていると感じる一方で、とてつもない不安感に襲われる。


だって所詮は電波に乗った、薄っぺらいだけの繋がりだから。


涙の流し方がわからなくて、笑顔を作ることにばかり長けていく自分。


例えば、この夜が明ければコンビニの電気が消されるのと同じように、あたし自身も簡単に消えられたなら、楽なのにね。


それでも携帯を捨てることの出来ないあたしは、ただ弱いだけの存在だった。






自分の形を保つのは難しいね。








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