おかしな話だ
読書
酷く雨の降る土曜日の午後。

楽しみにしていたツーリングが中止になり、直樹は時間を持て余していた。

「ついてねーな…ったく…」

テレビを点けるものの、この時間の番組はつまらないものばかり。

大きくため息をついてテレビを消す。

暇でしょうがない。

「…あ、そうだ。」

直樹は思い出したように立ち上がると、部屋の片隅のカラーボックスから一冊の本を取り出した。

つい先日手に入れたばかりの、ドラマの原作本。

「いい機会だし…一気に読んじゃうか。」

冷蔵庫から麦茶を取り出し、ソファーに座り、直樹は表紙を開いた。
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