おかしな話だ
お似合いな二人
ある朝のこと。

高校生の私はいつも通り学校へ向かっていた。

冬の朝というのはどうにも起きるのがつらい。

少し寝過ごしてしまった私は

自然と早足になっていた。

すると…

「重いんだよ!まったく…また太ったろ?」

「太ってませんよーだ!淳也が力無いだけ!」

「大体何が悲しくて夏帆なんかと2人乗りしなきゃなんないんだよ…」

「私だって淳也みたいな情けない男と2人乗りなんて御免よ!」

「じゃあ下りろよ。」

「やだ!歩くのめんどくさいもん!」

「だから太るんだよ…」

「つべこべ言わずにさっさと漕ぐ!」

…相変わらずだ。

同じクラスの淳也と夏帆。

2人は幼なじみで家も隣同士。

顔を合わせるといつも口喧嘩してる。

それでも毎日こうして

一緒に登校している。

全く。仲がいいのか悪いのか…

いや、きっと仲はいいんだろう。

「喧嘩するほど仲がいい」という言葉があるが、

彼らほどこの言葉が似合うカップルもないだろう。
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