先生に囚われて
携帯を出して時間を確認すると、この部屋に来てからすでに2時間がたっていた。

うわ、やばい。もうこんな時間に。

りぃ君、怒ってるかな。


恐々(こわごわ)とリビングに続くドアを薄ーく開け、そっと覗いてみる。


どうやらりぃ君はソファーに座っているらしく、微かに声が聞こえてきた。

テレビ……?

とにかく部屋を出るしかないので、ドアを今度は勢いよく開け放つ。


「……だから、今日は無理。……は?知らねえよ、もう切るから」


あ、電話か。

もうちょっとここに居た方がいいかな?

そう思い再びドアを閉めようとしたら、電話を終えて振り返ったりぃ君と目が合ってしまった。



「もういいのか」

< 16 / 282 >

この作品をシェア

pagetop