先生に囚われて
ガチャ。


あ、開いてる……。

期待しないで回したドアノブは、予想外に鍵がかかってなかった。


ラッキー!
ここで時間潰そう。




さっきまでが嘘のように、軽くなった足でフェンスまで駆け寄った。


春の心地よい風が髪を揺らす。



こんないい場所なのに誰もいないんだ。

やっぱり、普段は鍵かかってるからだよね。


なんで今日は開いてるんだろ?



そう思いながらも、視線はずっと空を見ていた。

高い所が好き。

空が近いから。


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