先生に囚われて

授業に出たくない訳じゃない。

今日までだってもちろんちゃんと受けていた。



だけど、遅刻して皆の注目を浴びながら教室に入るのだけは避けたい。


初めての授業の日、変に悪目立ちをしてしまってから、

どうも一部の女子からの風当たりが良くない。


今はまだ何もされてはいないけど、
りぃ君に馴れ馴れしくしても、素っ気ない態度をとっても良くない結果になりそうで嫌だった。



普通が一番難しい。





校舎に入っても、やっぱり教室に向かう気にはなれなくて、フラフラと階段を上がる。

向かう先は屋上。

そっと、屋上に続くドアに手を掛けた。

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