女子高生名探偵の事件簿
4つあった部屋には何もなかった。
「何もなかったね。」
「津村さんはいったいどこに行ったんだろう。」
「とにかく一階に・・・。」
立嶋の指示で四人は一階に降りた。
「ヒカルちゃん。さっきから一言も発してないけど・・・。大丈夫?気分悪いの?」
「無理するなよ。」
ユミとリサがヒカルに声をかけた。
「みんな。津村さんは見つかった?」
入口に三田と村下が立っていた。
それにむかって立嶋は首を横に振った。
「いったいどこ行きやがったんだ。あのアホは・・・。」
津村が怒鳴った。
「こっちもいなかったよ・・・。」
古川が地下からあがってきた。
「津村君は見つかったの?」
三田たちの後ろからタケシタが声をかけた。
「いいえ。」
三田が肩を下ろした。
「みなさん。うちのバカがお騒がせして申し訳ない。」
古川が深々と頭を下げた。
その場に重苦しい空気がながれた。だが、その空気はある少女の一言で切って捨てられた。
「一階は誰が見たんですか?」
ヒカルが口を開いた。その場がしーんと静まる。
「え。誰も見ていないのか?」
古川が声を上げた。と同時にヒカルが一番近くのドアを勢いよく開いた。
「何もない・・・。」
隣の部屋を開ける。ここも何もなかった。ここも・・・。ここも・・・。
ヒカルは一番奥にある部屋のドアノブに手をかけた。扉が勢いよく開かれる。

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